2025.05.30

施設サポーターのコメント

  • 坂口 和敏さん

    坂口 和敏

    山口大学 大学院人間社会科学研究科・国際総合科学部 准教授

    「山と風土から読み解く多文化理解」
    「西の京」と呼ばれる山口は、周囲を山地に囲まれた盆地に位置しています。
    そのため、まちの至るところで山の姿を目にすることができます。標高がそれほど高くない山々が連なるのが特徴で、雨上がりには山肌から水蒸気が立ち上り、自然の息吹が感じさせる独特な景観を生み出しています。このような風景は、雪舟の水墨画にも数多く描かれています。姫山は、山口大学のほど近くにあり、大学祭の名称にもその名が使われています。山が地域に与える影響を探ることで、私たちの暮らしを見守り続けてきた地域の風土に、改めて思いを馳せることができるでしょう。

  • 谷 壮史さん

    谷 壮史

    株式会社まちのプロデューサーズ

    姫山という土地を通して自然と人間の関係性を多元的に見つめ直す、大変深い視点を与えてくれるものでした。自然に包まれたフィールドワークの描写や、そこから導き出された「多元世界」の考え方に共感しつつ、自身の暮らしを改めて見つめたくなりました。私も現在、仕事の関係で静岡県三島市で主に活動しておりますが、富士山の雄大な姿や綺麗な湧水、澄んだ空気、そしてスナック文化など、人と風土が織りなす豊かさに魅了されています。人間もまた自然の一部であるという視点は、地域の文化や営みにも通じており、持続可能な社会を考えるうえで欠かせない感性だと感じました。自然との関係性を“感じること”から始める大切さに、あらためて気づかされました。

  • 秋山きららさん

    秋山きらら

    「身体企画ユニット ヨハク」共同代表/YCAM アート・アドミニストレーター

    《風土と感性プロジェクト》で姫山を取り上げた本稿。「姫山」を取り上げ、エスコバルの「多元世界」を引きながら、人間と自然の関係性の本質を探し続けることが、よりよい社会のデザインにつながると締めくくります。この時の、関係性の本質とはなんなのでしょうか。そして、持続性という言葉が空虚に響かない方法があるのでしょうか。山口という土地で文化的活動をしている身としていつも考えさせられる問いです。
    山口大学の学生が山口の風土に着目してリサーチから発表までを行なっているとのこと。ある意味、地域のよそ者である学生たちがここの風土をどのように捉え、体感したのか。各プロジェクトの記事を興味深く読ませていただきました。ここで考えたことを、これから向かう土地土地で活かされることを期待しています。

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